近年カジュアルコートとして人気が高いのが、ダッフルコート、Pコート、チェスターコートでしょうか?
昔はバーバリーのトレンチコートやステンカラーのコートがよく着られていましたが。どれも歴史の古いコートばかりです。
ダッフルコートといえば、フード、W、トグル、です。
起源は北欧の漁師の仕事着で、第二次世界大戦時にイギリス海軍で防寒着として広く使用され、その余剰在庫品が大戦後に市場に出回ったことで一般化したのです。
機能重視のものにはムダがなくいいものが多いですよね。シンプルで且つ美しい、いわゆる機能美ですね。
フード付きの防寒コートで、起毛仕上げの厚手のメルトン生地がよく使われ、フロントはトグル(toggle)といわれる、浮き型の留め具と対になるループ数組によって留められるため、ボタンとは違い、手袋をしたまま服を脱着できるのが特長です。
子供から年配者までどなたにも愛される、カジュアルな暖かいコートです。
Pコートと言えば、衿の特徴とWの打ち合わせです。
19世紀末からイギリス海軍が艦上用の軍服として着用していた他、漁師たちの間でも着用されていました。
特にフランスのブルターニュ地方の漁師などはこれをよく着ているのです。これも機能美ですね。
特徴は前でクロスするようにボタンをとめることです。
上衿と下衿がありますが、上衿は代衿付きで、ボタンがあってこれを留めて暖かく着ることもできます。
前はWでフードはありません。こちらも幅広い年代で着られるカジュアルなコートです。
ダッフルコートもPコートも軍服や漁師の作業着であった由来は似ていますが、フードがついていることで、ダッフルコートの方がよりカジュアルに感じられるかも知れませんね?
Pコートの方が着られるシーンは少し幅広いでしょうか。どちらもカジュアルです。
チェスターコートは今はカジュアルな着こなしが主流
丈はやや長めが基本であり、膝程度が一般的です。
見た目はフロックコートや背広に近く、19世紀に、チェスターフィールド伯爵がはじめて着たのが最も有力な由来とされています。
特にヴィクトリア時代下のイギリスでは、男性の外套として流行したそうですが、現在の日本では、フォーマルとして着ることよりも、カジュアルとしても着こなすことの方が多いように思います。
ダッフルコート、Pコート、チェスターコートはいずれもカジュアルコートです。